予備校や学校の座学では学べない、臨床での経験(^o^)♪

2012年12月01日 医療に関する話題


受験生の皆さん、こんばんは!アシスタントの岡田です☆☆

今日は12月1日!!☆いよいよ12月に突入しました。12月は、法師があちこちの家を走り掛け回る様子や、教師が忙しくしている様子から、「師走」と呼ばれるようになったと聞いたことがあります。今年の12月は、師走の大決戦選挙に向けて各党も慌ただしく走り回っていますね!受験生の皆さんは、受験に向けてまっすぐに走るのみです(o^^o)☆一緒に頑張りましょうね♪

さて、今日は、私を変えてくれた病棟実習での経験についてお話せて頂こうと思います。

先日のブログでも書かせて頂きましたが、私は和歌山県立医科大学保健看護学部の2回生です。9月に行われた病棟実習では、腎臓内科・消化器内科の混合病棟に行きました。そこで、私が出会ったAさんは、膵臓癌が全身に転移し、ターミナル期を迎えられた患者さんでした。ターミナル期とは、医師によって不治の病であると診断され、数週間~6か月以内に死亡されるだろうと予期される状態です。Aさんは、常に激痛に襲われている状態……歩くこと、ご飯を食べること、会話することもできません。

残された時間は、最大限に家族と過ごしたいに違いありません。それなのに、なぜ私のような看護学生を実習生として受け入れてくれたのか……そんなことを考えながら、Aさんの病室を訪問しました。Aさんの側には、奥さんが座っていました。その顔には生気が無く、目には常に涙を浮かべていました。Aさんの奥さんは、精神的に限界でした。

臨床の医師・看護師さんも、「もう医学的にできることは何もない。あとは、Aさんが安らかな死を迎えられるように、精一杯のケアをするのみ」とおっしゃっている中で、学生の自分にできることを精一杯考え実践しました。

病院実習4日目、今まで元気がなかったAさんの奥さんが笑顔で私にこう言いました。「あなたが旦那のために頑張ってくれている姿を見て、私も頑張ろうと思ったわ。旦那が安心して天国へ行けるように、笑顔で見送ったあげなねっ」

この言葉を聞いたとき、私はすごく嬉しかったです。自分が精一杯の看護を行っても、終末期のAさんには目に見える結果は出ません。そんな中で、「本当にこんな看護で良いのだろうか?」と自信を失いかけていたからです。

その次の日、自信を少し取り戻した私は、「よっし、今日も頑張ろう!」と、心に決めてAさんの病室を訪問しました。しかし、その病室には、Aさんも奥さんもおらず、荷物は一つもありませんでした。そして、電子カルテからはAさんの名前が消えていました……

ナースステーションでは、いつもと何ら変わりなく業務が行われています。その片隅で、私は初めて実習中に泣きました。すると臨床の看護師さんに、「私らやって悲しいけど、他の患者さんの前で泣き顔なんて見せたらあかんやろ?あなたのやった看護は、Aさんだけじゃなくて奥さんにも響いてたよ。あなたのおかげで旦那は幸せに天国に行けたって奥さんが言ってはった。奥さんのあんなに良い笑顔、初めて見たわ」って、言われました。

この実習で、医療従事者の必死の取り組みと家族のひたむきな愛は、相互に響き合う関係にあるということを実感しました。絶望のどん底で落ち込んでいる家族に対し、医療従事者が必死に全力投球で頑張っていると姿勢を示すだけでなく、励ましの言葉や希望・癒しの言葉を掛けること。そのような医療者の姿勢が、患者さんご本人だけでなく、精神的・肉体的・経済的な負担の大きさ故におしつぶされそうになっている家族を救うことにもつながると学びました。

実習初日に浮かんだ疑問、「残された時間は、最大限に家族と過ごしたいに違いない。それなのに、なぜ私のような看護学生を実習生として受け入れてくれたのか……」この本当の答えは、患者さんご本人とそのご家族に聞いてみないと分かりません。しかし、私が思うに、終末期を迎え長い長い入院生活に、何か新しい風を吹き込みたかったからかもしれません。

医療従事者は、どんなに高度かつ複雑な最先端の医療に取り組む場合でも、先端の知識や経験に陶酔することなく、その治療行為やケアの行為が、患者さんやそのご家族にどのような「変化」をもたらすかといったことまで考える必要があります。知識も経験も浅い学生の私には、そんなこと到底できません。しかし、精一杯自分ができることを全力投球することで、患者さんやそのご家族とのコミュニケーションに膨らみをもたらし、最先端医療をよりぬくもりのあるものにできると、Aさんに出会って学ぶことができました!!

実習中には、このような悲しい経験もあります。しかし、その中から私は医療者になる上で大切なことをたくさん学ばせてもらっています。受験生の皆さんも、医学生になればたくさんの経験をすると思います。その経験の中で、一歩ずつ医療者になるための礎を築いていきましょうね☆☆私も頑張ります!!

では、また谷町教室・上本町教室でお会い致しましょう(●^^●)★

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