小論文・面接対策☆小児臓器提供について…
2013年07月19日 医療に関する話題
※医療関連のニュースに講評などを加えた記事は他にもございます。以下のリンクからそのカテゴリーの記事をご覧いただけます!受験生の皆さんの面接のお役に立てれば幸いです。
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医学部入試突破を目指す受験生の皆さん、こんにちは。
ナカサカ医進ゼミナール アシスタントの杉本です。
現在、京都府立医科大学医学科3回生です。
今日は医大生の立場から、医療のお話をさせて頂きたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
今日は、18日の読売新聞の朝刊に掲載された、小児臓器提供に関する記事を紹介させて頂きます。
2010年に改正臓器移植法が施行されてから、脳死下での臓器提供件数は増加しており、成功例についての報道を耳にすることも多くなりました。しかしその一方で小児の臓器提供は進んでいません。この理由として3つの問題点がこの記事の中で挙げられています。
まず1つ目として、子どもが亡くなるのは大人と比べて急なケースが多く、遺族がその死を受け入れられないため、医師が臓器提供の提案を持ち出しにくいということがあります。この点に対しては、両親への心理的なサポート体制を整える必要があると考えられます。
次の問題点は、虐待を受けた子どもの臓器提供は認められておらず、病院では虐待の有無を判断するのが困難であるため、提供が行われないということです。私の通っている京都府立医大の付属病院でもこのような事例があったようです。専門家は、普段から児童相談所との連携をとることで虐待の有無を早急に判断する必要があると述べられています。
最後に、救急病院のスタッフが日常的な業務で多忙であり臓器提供の提案に消極的になっているという問題があります。しかし臓器移植専門の組織を立ち上げ総力的に臓器移植を推進している病院もあるとのことで、このような臓器提供にいつでも対応できる体制を作っていくことが必要とされています。
臓器提供の実施には多くの課題がありますが、難病の患者さんを救うために必要な医療行為であり、様々な意識改善や複数の機関の連携の強化を行い、一人でも多くの方の命を救えるようにしていかなくてはなりません。
医学部受験生の皆さんは、医学そのもの知識を身につけることも必要ですが、適切に医療を行える体制づくりについても知ることが重要だと思います。
知識や情報、現状の認識をそだてることも大事なのですが、それ以上にみなさんの中に様々な医学の問題に対応するための芯を作り上げる必要があります。情報を得てかんがえを変えるの柔軟性をなくしてはいけませんが、まずは皆さんの中に確固たる考えがなければなりません。日々のニュースに触れる際には、「自分ならどうする」「これは〇〇だ」というような意識を常にもってください。この積み重ねが皆さんの中に医学に携わるものとしての核を構築させるはずです。
医学部を目指すということは、当然人の生死に関わるということです。皆さん目の前にニュースでみるような状況が展開される可能性は非常に高く、また、それが日常となります。その時に迷わないように、正しい選択ができるように、皆さん自身の中に芯を育ててください。最初は小論文対策という目的でもかまいませんので、ともかく体に情報を入れて考えることを進めましょう!
少々難しい話になりましたが、医学部の先を見据えつつ小論文・面接対策の一環として、様々な医療ニュースに触れてみてはいかがでしょうか。
スタッフが投稿しました。
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